冒険者たちは口々に、冷やかしを言い出す。

 やはり、魔物はこの世界では食べないものらしい。

 この件は諦める方がいいみたいだ。

「おいおい、ちゃんと答えろ、お前ら。さすがにオレもキレるぞ」

 ギルド長の一喝で、冷やかしや野次が止まった。

「何の魔物でもいいんですか? うちのチームはバジリスクだったら食べたことありますよ。硬くてうまいもんではなかったですけど」

 確か、バジリスクはトカゲのような大型の魔物のはず。トカゲならば、確かに肉付きは悪く硬そうだ。

「あの、そのお肉は硬いだけで、問題はなかったですか?」

 ただ、硬いだけならば柔らかくするか、揚げるか何かしてしまえば大丈夫なはず。

 毒と、あまりに不味いのならば話はまた別なのだが。

 ギルド長の代わりに私が聞いても、先ほどの様な野次はもう飛んでは来ない。

「ああ、毒とか特に問題はなかったよ」

「コブリンやオークは食えないぞ。あいつら汚すぎて、匂いからして食べられる類のもんじゃない」

「わたしのとこは、コカトリスを食べたって子がいるわよ。尻尾と頭は無理だけど、胴体は所詮鳥だし」