とろんと寝落ち寸前の頭に、真さんとのディナーと、ホテルのスイートルームでのめくるめくひと時の記憶が通り過ぎて行った。

 次の情景は自分の部屋のベッドの上。組み敷かれた身体に覆いかぶさる怜くんの重さと熱い肌と、俺のものにするという彼の声。甘く溶かされたわたしの官能と・・・。

 欲しい。きみが欲しいよ。なのに、どうして。

 切ない気持ちが込み上げ、自分の身体をギュッと抱きしめた。

 いけない。だめ。でも、もんもんが戻ってきちゃった。どうしよう。

 いきなり部屋のドアがバタンと開いた。驚いてガバっと跳ね起きたら父と目が合った。

「樹理。お茶を入れたから下でじゅりまんを・・・」
「ば、ばかっ!」