救急車のドアが開く。

アタシは運ばれているんだ。

「葉月さん〜葉月さん〜わかりますか??大丈夫ですよ!もう病院着きましたよー!!」


「ハーハーゼーゼーハーハー。」

そんなの分かってるよ!ボケ!って心の中で叫んだが、苦しくて声になっていない。


お母さんが呼んでいる。わかる。

でも返事が出来ていない?

うなずいてみる。

ツラい。

苦しい。






目が覚めるとベッドだった。

気を失ってしまったのか?

嫌な予感がしたが、案の定手には点滴が刺さっていた。

「歌ちゃん!!!」

母がすぐナースコールをして先生を呼んでいた。


先生が来た。

「歌乃ちゃん目が覚めた?まだ苦しいかな?」


コクン。

歌乃はうなずいた。



母はアタシが目を覚まして安心したのか少し見守り、消灯時間過ぎている為、家に帰って行った。


歌乃が落ち着いたのを待ち、先生は色々アタシに説明してくれた。

運ばれてきた時、spo2?体の酸素?が基準値を大幅に下回っていたこと。

肺炎になっていて、しばらく入院だということ。


最悪だ。


レッスン遅れる、音楽の授業遅れる。

奏も独りぼっちで寂しいだろうな。

何より病院嫌いなアタシが入院か…

これからどんな事されるんだろう。

怖いなぁ。

でも今はつらすぎてよく分からない。

苦しいけど、眠い。

お母さんは家?ここは個室か1人で寝るのが怖い。