南米、ジャングルの中にひっそりと隠されるように建てられているコンクリート製の建物。ここは、マフィアのアジトの一つであり、諜報員が情報を手に入れるために潜入することも少なくない。

もちろん潜入とは命の危険と隣り合わせであり、自分が諜報員だとバレれば一瞬にしてその場は戦場と化す。

銃弾が飛び交う中、諜報員だとバレた諜報員二人が銃弾を避け、戦闘の最中に倒れた分厚いテーブルの陰に隠れる。その間も、マフィアたちが容赦なく銃を発砲し、いつ自分の命が吹き飛んでもおかしくない状況だ。

黒髪に緑の目、年齢より若く見れられるその諜報員は、ハッハッと短く荒い呼吸を繰り返す。このような状況に陥るのは初めてではないのだが、いつまで経っても慣れないのだ。

「おい兄弟、限界ならアイツに交代しろよ」

諜報員の肩が叩かれ、こんな状況だというのに相棒の諜報員から眩しいくらいの笑顔を向けられる。

「必要な情報はゲットできたし、もうあとは脱出するだけだぜ?」