夏だ! 海だ! 花火だ! 夏祭りだ! 金魚すくいだ! 綿飴だ! 


頭の中でそんな楽しい妄想を繰り広げながら、僕は机の上に置いている一枚の紙を見つめた。


≪自由研究≫


そう書かれた紙を僕は恨めしそうに睨む。


小学校の六年間、夏休みとなると必ず出されるこの宿題。


そんなに簡単に≪自由研究≫と言われても、何をどう自由に研究しろというのだろう。


だいたい、小学生に独学で研究なんてたかが知れているにきまってるだろ。


そんな文句を言いつつも、僕はどうしようかと頭をフル回転させる。


その瞬間、僕の頭に今までにひらめいた事のないすばらしい案がわいた。


これだ、これしかない!