.
「……芽良、ねえ芽良ってば」
「ん、なに?」
「イチゴミルク買ってきて」
「自分のもんは自分で買えや」
はーーーっと異常な長さのため息をついたあと、芽良はわたしを見つめる。
「よく聞け。俺は椛ちゃんのパシリではない」
「うん、しってるしってる。だから、買ってきて」
「椛ちゃんさ、だいぶ頭おかしいこと言ってるけど自覚してる?」
「ううん」
芽良ってば、ケチやろうだ。
もちろん、パシッてるわけではない。
ただ芽良からもらえるイチゴミルクは、いつもの少しだけ甘く感じるから好きなだけ。
お願い、と芽良の腕をぶんぶん振って懇願する。