まだ一人目妊娠したばかりなのに? 気が早いって……。

「俺の中では二人と言わず、三人は作る予定だ」

「……気が早いんだけど」

 そもそも、わたしは藍となんて結婚するつもりなかったのに……。だけど藍のアプローチを受け入れて、こうして夫婦になった。
 わたしたちは、ちゃんと夫婦になれるのだろうか……。こんな形で結婚して、幸せなれるのかも分からない。
 そもそも、幸せな結婚ってなんだろうな……。

「いいだろ? だって子供は、多い方が楽しいだろ?」

「それは、そうかもしれないけど……」

 だけど今のわたしには、よく分かる。
 藍が父親になるために、いい夫になるために、毎日頑張っていることを。
 藍の努力は、こうしてちゃんと分かっている。

「……ねぇ、藍」

「何だよ?」

「藍と家族になるなら、これからももっと愛してくれないと、困るんだけど……」

 だけどわたしのそのわがままな発言にも、藍は動じない。

「当たり前だろ?お前は俺の妻なんだから。 一生透子のことだけしか、愛するつもりはないよ」

「……裏切ったら、わたし一生許さないからね」
 
「俺は透子を裏切るようなことはしないよ」

 そうやって言えば、わたしが言い返せなくなることを、藍は知っている。