わたしがそう言うと藍は、「透子の選んだものなら、嬉しいに決まってるだろ?」と言って、その包みを丁寧に開封した。

「……透子、これって」

 藍はその中身を見て、驚いていた。

「ネクタイ。……藍に似合いそうだなって、思って選んだの」

 わたしがそう言うと、藍は「このネクタイ……すげぇいいよ、透子」と言って笑っていた。

「本当に? よかった」

「ネクタイの柄、最高だよ。え、しかもネクタイピンまであるのか?……透子、お前やっぱり最高にいい女だな。透子が俺の妻で、本当によかったわ」

 藍はそう言うと「今度の出勤の時に、このネクタイ付けていっていいか?」と聞いてきた。

「もちろん。 またわたしが、結んであげるね」

 藍のために一生懸命選んだネクタイ、わたしが結んであげたい。

「それは楽しみだな」

「……藍なら喜んでくれると、思ってたよ」

「何言ってるんだよ。喜ばない訳がないだろ?」

 そして藍は続けて「透子、ありがとう。……愛してる。 俺は今日世界で一番、幸せな誕生日になったよ」と言って、わたしを抱きしめた。

「……よかった」

 藍の誕生日、成功……だね。

「赤ちゃんも、ありがとうな」

 藍は嬉しそうにわたしのお腹を撫でる。