部屋には私を含めて三人の高校生がいた。


机の上には瓶に入れられた二つの苺。


一人一つ、苺を食べなければならない。
それがこのゲームのルール。

簡単でしょう?
でも、食べられるのは二人だけ。残りの一人は......。



「怜美(れみ)、あたし達で食べちゃおうよ。真広(まひろ)には、悪いけどさ」


真広が席を外している間に、藍子が私に提案した。
まだゲームが始まって10分も経っていない。信じられない展開だ。こんなに早く仲間割れ、なんて。いや、でも。


藍子が真広を裏切りたくなるのも無理はない。


――――このゲームの主催者は、真広の家族なんだから。