自分の気持ちに気がついてしまってからというもの……


全然翠くんと顔を合わせられていません。


合わせられていないというより、わたしが逃げていると言った方が正しいかもしれない。


翠くんの姿を見るだけで、自分がおかしくなってしまったかのように胸がドキドキして止まらなくなる。


絶対に隠さなければいけないのに、紬ちゃんの前でボロが出てしまいそうで、翠くんを避けて必死に隠している。



「……柊奈?」


「っ、へ!?……あ、陽斗か」


「残念みたいな態度やめろよ」


「うん、ごめん」



わたしを呼ぶ男の人の声がして、肩がビクンと震えた。


聞き慣れたはずの陽斗の声。


考えすぎて一瞬翠くんの声かと錯覚してしまった。


今日翠くんは、映画の撮影で一日中不在なのに。


ちなみに紬ちゃんも演技のレッスンでついさっき出かけて、伊倉くんもいつもの如く女の子の元へ遊びに行ってしまって、家にはいない。


唯一残っていた陽斗もこれから部活があるらしい。