もちろん予想はしてたけど、道中、風磨くんに追いつく気配は全くなくて。

風磨くんの足なら、もうバス停についた頃かな?

今頃財布がなくてバスに乗れずに立ち往生(おうじょう)してたりして……。

そう考えるだけで、私の足の回転はみるみる速くなっていく。

早くしなきゃ!

……ひた走ること数分。

「はあ……はあ……」

角を曲がると、バス停でそわそわしている風磨くんを見つけた。

よかった……会えた。

……と、ホッと安堵したのも束の間。

ーブロロロ……。

そんな私の横をスーッと通り過ぎていくバス。

あっ! このバス、病院方面!!