これと言って業務用の大きな機械や珍しいものはなさそうだけど……。

家庭にあるようなこれだけのものでドレスが作れるのかな?

私がキョトンと小首を傾げた、その時──────────

「夜這いでもしに来たの?」

っ!!!

後ろから耳元で囁かれた危険なあの声に瞬時にゾクゾクと悪寒が走る。

こ、この声は……!!

私はすぐさまその人から距離を取った。

振り返るとやっぱりそこにいたのは寿々森さん。

気配を消して近寄ってくるなんて怖すぎ!!

「よ……夜這いなんてっ──────────」

「しっ。……凛音が起きる」

反論しようとした私に、人差し指を自分の口元に当てて制した寿々森さん。