短大を卒業して4度目の春が来た。
社会人4年目、24歳にもなると毎年少しずつ後輩ができ、すっかり会社での私の立ち位置は新人から中堅になった。
つまり任される仕事が増えた。
疲労感しかない顔で一歩一歩何とか足を踏み出して、一人暮らしのマンションの階段を登る。
仕事帰りにこの階段を登る度に引っ越しが頭の中をチラつく。
家賃と部屋の綺麗さを優先した結果がこれだ。
そろそろせめてエレベーターのあるマンションに引っ越そう。
今日も決意を固めたところでやっと自分の家の前に着き、ふぅと一息。
それからカバンから予め出しておいた鍵で家の鍵を開けると私はいつものようにドアノブを回し、扉を開けた。