<グスタフ皇国・王宮・交流会1日目・10時>

グスタフ皇国の王宮・謁見の間に
参加者が集まった。

男の子3人と、女の子3人の
合計6人。
そして、ペアとなる使い魔と
一緒に、入場する。

各国の参加者は原則、次世代の
統治者である。

この日のために
親はいろいろな人脈や力を
駆使して、子どもにとって
有利になるような<使い魔>を持たせた。

<使い魔>は精霊・エルフ・
霊獣・妖怪など多岐にわたる。

どんなに力が強くても、
未成年者である参加者が、
使いこなせなくては意味がない。

このことも、
統治者としての力量を、試されるのだ。

最初に登場したのが、グスタフ皇国の皇太子アンバーだ。

隣には
<使い魔>としてのエルフの
ミエルが、ややうつむき加減で歩く。

ミエルは、グスタフ皇国の御用達の女性エルフだ。

薄い水色の髪と、緑と青の入り混じった瞳、
透き通るようなやや青ざめた肌。

華奢で、紫と青の混じったドレスを着ている。
このエルフは非常に美しい。
色合いから見て、水系のエルフだ。

アンバーは笑顔で胸を張り歩く。

が、その胸の内には怒りが満ちていることを
悟らせないように、必死に努力している。

なぜ、このエルフなんだ!
今回の交流会には、何の役にも立たない!

次にA国が入場した。
使い魔として、グリフォンを従えている。
B国は鷹、C国はオオカミ、
D国はとかげ、たぶんイグアナだろう。

やはり、動物系が多い。
手に入れやすく、未成年でも比較的扱いやすい。

そして動物は護衛・探索・戦闘に向いている。
動物系は文句を言わない。

最後に
魔女の国代表者のクラリスと、
使い魔のイーディスが入場した。

イーディスは大人の姿なので、
隣のクラリスは、やけに子供っぽく見える。

緑のドレスはところどころ破け、
枯れ葉や小枝がくっついている。

しかも・・・

クラリスの顔は、
真っ赤に腫れあがっていた。

参加者がざわついた。
こんな姿で登場するとは・・
信じられない!