僕には沙織という幼馴染みがいた。
沙織は僕の彼女だった。
ずっと一緒にいるって信じて疑わなかった。
なのに、

『私、病気なんだ。』

沙織は居なくなった。
僕の前から。

僕の前にある、彼女の遺書。
読んでしまったら、きっと僕は号泣して泣き叫ぶだろう。
だけど、

『私が死んだら遺書、絶対読んで。』

彼女が読んでほしいと願っているから、
僕は封筒を開けた。