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はあ、二限がなんて気づいたら、放課後。

もう、夕焼け空だ。
まだ16時だよ。
日が落ちるのが最近は早い。
まだ春も迎えたばかりだから、
まだまだ寒い時期が過ぎることはない。

関東最大級都会の街並みに腰を落ち着いていた俺は、いきなり普通の民家に引越してきた。

父、曰くーー
"馴染みの街"らしい。
ご近所に悪友がいるらしい。


多分それが
純白ちゃんのお父さんだ。
純白ちゃんは、来るだろうか。

夕方ね、って言ってた。


純白ちゃんーーは、不思議な子だ。

今まで生きて来て優しくしてくれた女の子は、純白ちゃんだけだった。

だから気になるだけ……。


カバンを持って教室をそそくさ、と出ていこうとした。





「ーー何しに来たのあいつ。
早く帰ればいいのにっ」

「まあまあ、真綾(マアヤ)。
仕方ないじゃん、地味男なんかに構ってないで、アイス食べに行こうよ!」


窓際の1番後ろに、女の子2人組。
入学した時から地味に暮らしていた俺は、1番に彼女らの標的だった。

「うわ、見てるよあいつ。
地味男の癖に、ムカつくったらない。
悔しかったらイケメンになって見ろって感じ!」

眉間に皺を寄せて俺を睨む真綾。


俺からしてみたら、真綾さんは嫌いな女の子のナンバーワンに君臨するほどだよ。