『美央ちゃん、遊びにきたよ〜』

『海斗くん。いらっしゃい、来てくれてありがとう』


 パーティーから数週間、私は皆から過保護に扱われるようになった。
 まぁ、私がいけないんだと思う。


『後から哉斗も来るって、先に俺来ちゃった』

『うん』


 過保護の中の過保護は、哉斗くんだったりする。
 あの日、私は怪我をしたっていうか軽く捻挫をした。葛木さんに逃げ道を塞がれてしまった私は彼女らに何かを言われたけど早口すぎて言ってることがわからなかった。ただ、少女漫画みたいなシーンだなと心の中で思っているとそれに対してムカついたのか彼女に飛ばされバランスを崩して倒れてしまって足首を捻ったわけだけど……

 心配性なお兄ちゃんと過保護の哉斗くんから「しばらく外に出なくていいから」と言われてしまった。それからは部屋でベッド生活。私が退屈だと思って、たくさんの本が届くし毎日誰かしら来る。


『海斗くん、この生活いつまで続くと思う? 捻挫が完全に治ったら学校行けるかな?』


 きっと海斗くんなら、哉斗くんに説得してくれるはずだと思い手話で問いかける。


『しばらくは難しいんじゃないかな? 俺も心配だし、哉斗がねすっごいから』

『すごい?』

『あぁ、学校でも口を開けば美央ちゃんのことばかりなんだよ』


 これは海斗くんに説得をしてもらおうと思ったけど、これだと無理だ。なんで私の周りにはこんなに過保護が多いのだろうか。
 確かに去年の今頃、ずっと部屋にいたから外に出たことなかったけど今は免疫とかできたのに……そう思うと彼女たち恨む。