「麗(うらら)さん!好きです!」


「………。」


「あっ!なっ!名前!
知り合いに聞いて!
俺!智(さとる)っていいます!

毎日電車一緒なんです!

あのっ!!おっ!俺と!!
付き合って下さい!!」


目の前の彼は顔を真っ赤にして
真っ直ぐに見つめていた。


こんなに沢山の人の中で
どうして彼は私なんだろう。


私のどこが
彼をそんなに夢中にさせたんだろう。


告白されながらも
そんなことを考えていた。