そいつが今どんな顔をして俺に言ってきてるんだろう、とか。

友達?俺なんかと?なんて質問とか。


たくさん聞き返したいことはあるんだけど、とりあえず無言だった。



「…個人種目のあとって何があったっけ?」


「……クラス対抗競技と、ダンス発表とか、です」


「あー、じゃあサボっても問題ないね」


「問題なくはないです」



あーこいつ、なかったことにした。

俺が聞こえてないふりしてることに乗っかって、さっきの会話ごと消してる。


まぁそれくらい涼夏にとって一世一代の告白みたいな感じだろうから尚更。



「ならない」



そんな一刀両断を俺は下した。


なんで?どうして?とか。

そう言ってこない女だから、会話は終わりを告げる。

だからこそ俺だって言葉を続けられる。



「…俺、そーいうの本当むりなんだよね。まぁとりあえずリレーは1位獲って欲しいけど、それは聞けないな」



もっと悲しめ、そして泣け。

俺の本心は今そんなことを思ってる。