小さいころ絵本で見た王子さまは、すっごくキラキラしててかっこよくて。
お姫様にずっと一途で。
『美乃里もいつか、素敵な王子さまをママに紹介してくれるかしらね?』
絵本を読み終えたママが、そう言ってほほ笑んだのをよく覚えている。
『みのりはね、パパみたいな王子さまがいい!』
『ふふっ、パパ喜ぶわ〜!美乃里が大きくなって、パパみたいな優しい王子さまと結婚するの、ママ楽しみにしてるね』
『うん!』
いつか、運命の王子さまが迎えに来てくれて、ときめきいっぱいの素敵な恋をするんだって。
あの頃は本気で信じていた。