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 それから三日目の夜。

 リビングで電話をしていた蒼士が戻ってきた。

「沙菜、話があるんだが……」

「はい。何かあったんですか?」

「この間、仕事を手伝ってもらっただろう?それが社長の耳にも届いたらしい」

 しまった。

 部外者が会社のパソコン使ったりするのは大問題だ。サッと血の気が引くのと同時に沙菜の背中に冷たい汗が流れる。

「ごめんなさい。問題になってるんですね」

「いや、それが……沙菜に仕事の打診があった。短い時間でいい、パートという形で短い時間で仕事をしてみないか?」

「……」

「どうだろうか?」

「蒼士さんは私に仕事をしてほしいんですか?」

 沙菜の質問に蒼士が動揺しているのがわかる。

 本当は仕事をしてほしくないのかしら?

 蒼士さんの気持ちが気になる。


「俺は……沙菜が仕事を辞めた時ホットしたんだ。会社の男どもから沙菜を遠ざけられたからな……しかし、沙菜が家にいると離れているせいで、お前を守れない。今度はそれが心配で……。近くにいてほしいと思ってしまう。矛盾しているんだ」

 それって……。

 心配だからずっと一緒にいたいってことで……。

 カーっと沙菜の顔が熱くなった行く。

「蒼士さん、私も蒼士さんの近くにいたいです。仕事してもいいですか?」

「ああ、お願いできるか?」