……良い子でいたいのに。






ごめんね、良い子じゃないの。









1月の終わり。
放課後。
中学校に植っている木々が、寒そうに北風に揺れている。
私、川越(かわごえ)よいこはかけ足で東校舎に移動している。

ダダダッ!

階段を1段飛ばしして、3階にある図書室まで急いだ。




利用者の少ない図書室の扉をカララと開ける。


今日も誰もいない。
図書委員の人すら、いない。
きっと暇すぎてどこかに時間を潰しに行っているんだろうなぁ。

図書室の扉の鍵を開閉する時くらいしか、図書委員の姿を見た事がない。




そんなわけで、誰もいない図書室に入り、窓際の席へと走る。


慣れた手つきでカーテンを引っ張り、私はクルクルとその中にくるまった。