夕暮れのなかを、新くんの漕いでくれる自転車がゆっくり進んでいく。

新くんの大きくて広い背中にしがみついて、秋の風を感じると、うれしくて笑ってしまった。


雨と一緒に、私の隣に現れた。

これからの季節にずっと、新くんはいてくれるんだ。



「……新くん、もう意地悪しないでね」

「それは無理」


新くんは自転車を漕ぎながら、いつもの調子で冷たく言う。


「な、なんで……?」

「なんでって。好きだから」

「……Sだね、清々しいくらいSだね」


ぼそ、と呟いたら、ぎ、と自転車を止めた新くんが、つーんとした顔で振り返り。

ぐい、と私の顔を掴んだ。



「次生意気言ったら、速攻ふさぐ」


気だるい瞳に見下ろされて、頬が一気に熱くなる。



「ふ、ふさがれたい……」

「……おい、ちょっとおまえ、落ちつけ」