「……」

黒いバラの花びらが周りに散っていた遺体を見たミステリー小説家兼特殊捜査員フィオナ・カモミールは、特殊捜査チームの拠点である一軒家に戻って来た後、口を開いた。

「シオンさん、サルビアさん。黒い花びらの事件について、何か知りませんか?」

特殊捜査チームのリーダーであるシオン・アカツキと特殊捜査員であるサルビア・ポープに問いかけると、シオンは「実は……」と口を開く。

「何年も前から同じような事件が起きていて、上層部が調べてるんだけど……殺害された人物に共通点がないから、未解決事件になってるんだ……」

シオンの後に続いて、サルビアがそう言った。



「またこのニュース?最近、多いわね……」

部屋で寛いでいたレティシア・エーデルワイスは、たまたまかかっていたテレビを見つめる。

テレビに映っていたのは、未成年者が薬物を所持していたり、使用したりするという事件だ。最近、このような内容のニュースばかりが報道されているため、動かしていた手を止めた画家のフリージア・テイラーは退屈そうな顔をした。

「……退屈そうな君たちに、依頼が来たよ」

ドアが開いて1枚の紙を持ったサルビアと、精神科医のレイモンド・アルストロメリアが入ってくる。サルビアは、机の上に紙を置いた。