「〜〜っ、夏休みだー! っとその前に、補講だぁ……」



まるで試合に負けて燃え尽きる選手のように項垂れた郁ちゃんにくすりと笑う。



一学期の終業式が終わり、大量の宿題と通知表を受け取った私たちは教室を移動していた。

夏休みの最初の一週間は「特別補講」と呼ばれる期間がある。人によってコースが別れるらしく、郁ちゃんとは廊下の途中で別れた。


私が受けるAコースの特別補講は、特に授業をする訳では無く渡されるプリントをひたすら毎日黙々と解き終わった人から解散する、というような内容らしい。



特別補講の案内のプリントに記されたAコースの教室の中に入る。