——その日もいつも通りの朝。


 朝目が覚めると使用人が部屋に来ていつものワンピースの制服を運び、私に袖を通せと言わんばかりに差し出している。


(先週新しい使用人に変えたばかりだというのに、すでに態度が芳しくないわね)


 私は思わず眉根を寄せた。そして手伝う素振りを見せる使用人の手を払いのけ、制服に袖を通す。


(使用人の教育がなっていないわ。先週も伝えたはずの制服には糊付けもされていないようだし)


 別の使用人が私の身だしなみを整えているけれど、私の自慢の青白く艶やかなストレートの髪に対し、雑に櫛を入れていあたり、この使用人もさっさと変えた方が賢明だろう。

 朝食もいつも通り、味気なくて質素。毎日文句を言っているにも関わらず、変わらない味付けにうんざりし、いつも通り朝食を二口ほど口をつけて残りをテーブルの上に残したまま、ダイニングを去った。