「俺、…行かないと」

「…うん」


「ごめん 紘菜(ひろな)」

「…なに、やめてよそういうの。謝られると虚しいじゃん」


「…だよな。ごめん」

「早く行きなよ。私 大丈夫だから」




「…ありがとう、……バイバイ」







────高校2年生、夏。


​' 当て馬 'というものが、想像の500億倍辛いことを知った。