「お前、もっと詳しく場所教えろよ」

この場所で聞こえるはずのない声。
私はすぐに声の方を振り返る。

そこには・・・海璃が立っていた。

まさかのスーツ姿。
そして革靴。

「どうして・・・?」
「前にお前言ってただろ?俺に見せたい景色があるって。」
「・・・」
「子供のころから好きな人ができたらその場所を教えたいって。」
「・・・どうして・・・」
それまで我慢していたものが一気にあふれ出す。
「なんでいるのよ・・・」
次々に涙があふれて止まらない。