私の朝の日課は、お隣に住む幼なじみの“こうくん”こと新城煌貴を起こすこと。
幼い頃からのこの習慣は、高校2年生になった今も続いている。
「こうくん、起きて! 朝だよ……!」
スヤスヤと気持ちよさそうに眠る姿に、申し訳なさを感じながらも声をかけた。
そっと身体をゆすると、こうくんは「んー……」と眠そうな声を漏らす。
「こうくん、起きてっ!」
「……ん゛ー……あとちょっと……」
「ダメっ、遅刻しちゃうよー!」
「……ねみぃ……」
こうくんは眉間にしわを寄せ、ようやく起きる気になったのか、のそのそと重たそうに身体を起こした。
普段はキリッとしていて、クールなイメージが強いこうくんだけど、朝は駄々っ子みたいでちょっと可愛い。
こうくんって、なんでも完璧にこなすのに、朝起きるのだけはいつまでたっても苦手みたいだなぁ……。
だから私が、こうして起こしに来ているんだけど。
「……真由、なに笑ってんの?」
「ふふっ、なんでもないよ。それよりこうくん、早く支度しなきゃっ……!」