学校に近づくと車がいっぱい来てて、その車からキャリーケースを持った生徒達が出てくる。



渋滞が出来るほど送迎する車に、お母さんは流石に正門までは行けないからと言い、学校の前に止めてくれた。


「忘れ物は無い?」

「うん!」

「気を付けて行ってくるのよ」

「うんっ!行ってきまーす」



少し大きめのキャリーケースを引き、正門を通ると大きいバスが6台並んでいた。


「わぁ…」


「莉子おはよ〜」

キャリーケースを持った菫が手を振りながら私のそばに来た。


あれ…?

「今日メイクしてる?」

「あ、やっぱわかる?ちょっと気合い入れてきたんだ〜」


なんて笑いながら言う菫。


普段からお姉さんみたいな、かっこよくて美人さんだから…メイクしたら余計に大人っぽく見える…。