「ねぇ君!!君って頭良いんだね!!
 ボクと一緒に組もうよ!!」


「…は?」


























事が起きたのは数分前…。































「さて、どうしたものか。」


白髪の少年は呟いた。

彼は敵の罠にかかったのだ。

右足を縛られて逆さ吊り。

彼は剣の腕はピカイチなのだが、
とてつもなくバカなのだ。

なのでよく罠に引っかかる。

大体は切るか引きちぎるかして抜け出している。

が、今回はそうもいかない。

敵が多すぎるのだ。


「はぁ、めんどくさいなぁ。」


ため息を吐く。


(見張りもいるし、倒した所でまた
 出てくるだろうし…ボクの体力がもたないな)


そんな事を考えていると彼に敵が話しかける。


「お前殺人鬼の『キリ』だろう?
 うちの部下が世話んなったそうだな。」


(…倒した人いっぱいいるから分かんない…。)


「何とか言えやゴラァ!!」


敵の大男は彼を蹴る。


「…ギャーギャー騒がしいな…。
 うざいんだけど。てか、君の部下って誰?
 名前なんて教えてもらってないし。」


彼の顔から笑顔が消えた。


「忘れたとは言わせねぇ。無差別に手前に斬られた
 軍団に加わってたんだよ!!」


「無差別に、ねぇ…。」


彼が目を細めた次の瞬間。

スタン、と地面に降り立った。

大男はばたり、と倒れていた。


「頭ぁぁぁぁぁ!!」


周りにいたモヤシ共が少年の近くに集まる。


「覚悟!!」


全員で一斉に斬りかかる。


「はぁ、面倒なこった。」


チリン…。






























「さて、どうしたものか。」


少年は再び呟く。

そして周りに倒れた男達を積み上げて縄で縛った。


「頭の良いパートナーでも探そうかなぁ。」


風に吹かれてフードが脱げる。

少年の顔が月明かりに晒される。

それはー

     ・・
お尋ね者の少女の顔だった。





























そんな最悪の状況に髪を一つに縛り上げた
眼鏡の少女が偶然居合わせてしまう。