私は、アイリス。孤児育ちの17歳だ。
自分の国は、ギルス王国。
あちらこちらにある国の中でも、もっとも大きく
山や海などがあるため街は、豊かで活気に
満ち溢れていた。

しかし国が多いと他国が自分の国にしようと
狙われることも多くなる。
そのため国では、戦力を育てるために
孤児を騎士に育てる風習があった。
私もその1人。努力をして短剣の使い手として
女騎士になった。

それは、国を守るためでもあるが
このお方のためでもあった。
国王陛下であるルチアーノ・ギルス様。
父親である前国王が亡くなったため
22歳の若さで国王になった。

美しい金髪に碧眼に透き通るような白い肌。
端正な顔立ちをした美形で世の女性達は、
虜になるぐらいだった。
しかも強い上にそのカリスマ性で他の国からも
一目置かれ多くの民からも慕われており人望も厚い。
しかし命を狙われることも多いため
専属のボディーガードを欲しがっていた。

私は、数多くの応募から奇跡的に勝ち残り
国王専属のボディーガードになった。
そして敵を油断させるためにメイドに変装し
陰ながらお守りするはずだったのに……。
しかし、働いてそばに居る内に
国王陛下の性格を知ることになった。

いや、隠してもいないし
私達が勝手に美化し過ぎたのかもしれない。
だって……彼は……。

朝の眩しい光りで目を覚ました。
眠い目を擦りながら起き上がろうとしたら
抱き締められていることに気づいた。
うん……?まさか。

私は、もう一度目を擦りながら
見てみると国王陛下が隣で寝ているではないか。
しかも裸で……。

「きゃあっ!?」

私は、驚いて慌てて起き上がった。
国……国王陛下!?
すると国王陛下は、その悲鳴に気づき
目を覚ました。眠い目を擦りながら
「うーん。うるさいぞ?アイリス……」と言いながら

また布団の中に潜り込んでしまった。
ちょっと陛下……。
だがハッと気づいた。自分の格好に。
私も何も着ていなかったからだ。
生まれた姿のままだった。
私は、慌てて近くにあったバスローブに
着替えると国王陛下を叩き起こした。

「ちょっと、陛下。ルチア様。
起きて下さい。また勝手に私を抱きましたね!?」

原因は、この人だ。国王陛下……ルチア様は、
何故か私を騎士として見てくれない。
それどころか毎日のようにセクハラのように
私を溺愛してくるからだ。