元気に挨拶をして保健室を出ると、ちょうどそこに恭弥と綾羽が立っていた。


「わお。あ、恭弥ありがとね!私運んでくれたんだって?重かったでしょ〜?」


わざとらしいくらいに明るく振る舞う私。


「…おう、それはいいけど。」

「菜摘。あんた、どっか悪いんじゃないの?」


ふたりのテンションは私とは正反対で、少しの気まずさが走る。


「そんなわけないじゃん!ただの貧血」

「菜摘。」

「もー、大丈夫だって!心配いらないよ!帰ろ!」


なにか言いたげな綾羽を振り切るように、私は廊下を駆け抜けた。