元気に挨拶をして保健室を出ると、ちょうどそこに恭弥と綾羽が立っていた。
「わお。あ、恭弥ありがとね!私運んでくれたんだって?重かったでしょ〜?」
わざとらしいくらいに明るく振る舞う私。
「…おう、それはいいけど。」
「菜摘。あんた、どっか悪いんじゃないの?」
ふたりのテンションは私とは正反対で、少しの気まずさが走る。
「そんなわけないじゃん!ただの貧血」
「菜摘。」
「もー、大丈夫だって!心配いらないよ!帰ろ!」
なにか言いたげな綾羽を振り切るように、私は廊下を駆け抜けた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…