「あっ!みんなごめん!おはよ!!」


暫くして走り寄ってきた紗南。

髪の毛をふわふわにカールさせた紗南はいつもに増して女の子らしい。


「おはよ!紗南かわいーじゃん!」

「へへ、入学式だから!それよりクラス見よう!」


紗南の言葉に、綾羽がスマホを取り出し、ひとつの画面をみんなで見つめる。


「これA組。」


じーっと、見つめた結果、誰の名前も見つからなくて画面がスクロールされる。

次の画面に行った途端、私の目には、

「夏目 紗南」

の文字が飛び込んできた。


「あ、紗南あるよ」

「小泉恭弥!」


同じタイミングで綾羽が言い、そのまま続々と見つかる名前。


「菜摘見つけた」

「綾羽もある!」

「はるくん!!」


と、そこまで眺めて、私達はスマホから顔を離した。


「え?本当に!?」

「全員、見間違いじゃねーよな?」

「奇跡すぎだよまじか!!!」


信じられず、五人で顔を見合わせる。


「え、ちょっと人減ってきたし、見に行かない!?」


興奮した様子の綾羽に従って、貼り紙の前まで向かい、


「B組これだ。」

「…………すげー。本当に全員ある。」


自分の目で確認した私たちは、クラス発表の用紙を背に写真を撮った。


「やったやった!また1年よろしくね!!」

「おう!!」

「最高〜〜〜!!!」


そのあと散々喜んだ私たちは、5人揃って教室へと向かう。