「…告白されたの、高3のときだもん。」
「だからつまり、そのずっと前から好きだったってこと。」
恥ずかしげもなく言う俊くんは、告白されたときの彼を連想させた。
「照れる。」
「…俺も。」
そういうことを言ったあとは、2人して照れる。
いつもいつも、俊くんは何でもないように言うけど、心の中はドキドキなんだって。
あのときから、3年たった今は、よく分かる。
「この際だから言っちゃうとね。」
先に電車に乗り込んで、手を差し出す俊くん。
私は、あのときのように動揺することもなくその手を握った。
「菜摘が中学の時から、いいなって思ってたよ。」
「は!?」
席に座って落ち着いて聞いていたのに、驚いて立ち上がってしまった。
回りの視線が痛くて、小さく頭を下げ座り直す。