そんなある日、突然の来客が訪れた。


「……つみ、菜摘。起きて。」


昼間にも関わらずぐっすりと眠っていた私。

お母さんに起こされてもなお、閉じようとする目を頑張って開ける。


「…お客さんだけど。知り合い?」

「うん、ごめん、ベッド起こしてほしい…」


頼まれた通り、ボタンを押してベッドを起こしてくれるお母さん。


「それじゃあお母さんはちょっと出てくるわね。」

「うん、ありがとう。」


気を遣ってか、病室から出ていくお母さんを見送ってから、私はその人に頭を下げる。


「…お久しぶりです。成瀬さん。」


私を訪ねてきたのは、大翔のお父さんだった。