「…お、ねえちゃん…?」

「鈴ちゃん、すごいねっ。」


鈴ちゃんは驚いたように私を見上げる。


「頑張ってるよ。もうたくさん頑張ってる」


怖くて、少しのリスクに立ち向かう勇気もなくて手術をやめてしまった私よりも、ずっと頑張ってる。


小さいからだで、昔から病院にいて。

手術だって何度も受けて、抗がん剤にも耐えて。


そんな辛さを、たった1人でなんて。


私は、1度鈴ちゃんから離れて肩に手を置いた。


「鈴ちゃんは1人じゃないから。私がいるから。いつでもおいで。」


そう言うと、鈴ちゃんは始めキョトンとしていたけど、元気に笑った。


そして、言うんだ。


「やっぱり、寂しくないや!鈴にはお姉ちゃんがいるから!」