「本当に逢いたいから、離れたのか?」
「嘘にきまってるでしょ」
昨日も会った連中に、また会いたいなんて思わない。
うちを散々荒らして行った彼らに。
「だろうな。やっぱ、まだ触れて欲しくねえか」
琢磨も分かっていたようだった。
「でも、あの人達ズカズカとあたしの中に入ってきそうなの。それがすごく嫌い」
「お前にはいいと思うけどなあ」
彼は呑気に答えた。
なんだか、ムキになって琢磨から顔を背ける。
「余計なお世話なのよ」
「それが今のお前が欲しいもんじゃねえのか?」
琢磨が、いきなり真剣な眼差しであたしを見つめた。
ドクンとおかしな音を心臓がたてる。
それがあたりの合図、かはわからない。