「あー! どうして……水野君なんだろう」
それだけは絶対にないと思っていたのに。なんで。
会えなくなって初めて気づいた。こんなにも誰かに会いたいと思ったのは、初めてだって。
水野君のことを想うと、胸の奥がキュッと縮まって苦しくなる。ドキドキして、一日中ずっと私の意識の中にい続ける。気づくと自然とため息がもれて、考え込んでしまっている。
〝また連絡するから〟って言ってたから、スマホが鳴るたびに水野君じゃないかって期待して、ちがうとわかったらすごく落ち込んで何気なくショックを受ける。
またっていつ?
気になって仕方ないよ。
でも自分から連絡をする勇気はなくて、ただただいつくるかわからない連絡を待ち続けている。
水野君は私のことなんて一切頭にないだろうね。お祭りの前日になって、そこでようやく私のことを思い出す?
それはちょっとさみしいな。早く思い出してほしいよ。忘れられてるって感じることほど、寂しいことはないんだよ。
水野君はどうして私をお祭りに誘ったの?
どう考えても誘う相手がまちがってるでしょ。
誘われたことが嬉しくて舞い上がっていたけど、最近になって疑問に思うようになった。
どうして私なんだろう。水野君も同じ気持ちでいてくれてるってこと?
いやいや、ないない。あるわけない。そんなことを考える私って、本当にないわ。
どうかしてるよ。