満月の綺麗な夜だった。

ティーダは不意に思い立って、月夜の散歩に出かけたくなった。

が、時刻は午前0時を過ぎている。

こんな時間に出かけるなんて言ったら、下宿先の麗龍は勿論、妻のユリアだって心配して引き留めるだろう。

…部屋で、パジャマから着替えて鞘に納めたユースティティアを背負う。

ごめんなさい、麗龍さん、ユリアさん。

恐らくは下の階で幸せな夢を見ているであろう2人に心の中で詫びて。

軽い足音と共に、ティーダは2階の窓から夜の世界へと踊り出た。