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それから数時間後。


准一の家に到着したあたしたちは、お茶をご馳走になっていた。


邪魔にならないようにすぐに帰るつもりでいたけれど、准一のお母さんから、普段の准一は学校ではどんな様子だったのかと質問されたので、ダラダラと居座る事になってしまった。


入学して間もないけれど、あたしたちは小学生の頃から一緒にいたんだ。


学校生活での思い出は耐える事がなかった。


どんな些細な思い出でも、准一のお母さんは喜んで聞いてくれた。


その様子を見ていると、あたしたちも帰るに帰れなくなっていた。


気が付けば外は暗くなっていて、それぞれのスマホに家からの連絡が入っていた。


「そろそろ帰らないとまずいな」


渉が呟く。


すると准一のお母さんが眉を下げて残念そうにあたしたちを見た。


まだ、准一の話を聞いていたそうだ。


でも、これ以上長居しては怒られてしまう。


どうしようかと考えていると、不意に准一のお母さんが目を輝かせた。