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和夫の家は高校から近い場所にあった。


徒歩で15分ほどだ。


この間にあるコンビニに立ち寄り、それぞれ数百円ずつを出してお見舞いを買った。


簡単なフルーツと、栄養ドリンクだ。


それらを持ち、7人でゾロゾロと歩いて行く。


回りから威圧的な存在に見られないよう、できるだけ男女距離を開けて歩く事になった。


「ねぇ梢」


トンッと肩を叩かれて振りむくと、好奇心を顔に浮かべた理子がいた。


「なに?」


嫌な予感がしながらそう質問する。


「渉とは進展した?」


小声でそう聞いてくる理子。


あたしが渉に恋心を抱いていることは、女子たちの中ではもうとっくの前から知れ渡っていることだった。


なにせ、あたしの片想いは小学校高学年の頃から始まっているのだから。