和夫のことだから病気になったと言っても元気に走り回っているはずだ。


心の中でそう思っていた自分が恥ずかしくなる。


事態は思ったよりもずっと深刻だ。


しばらく7人の間に沈黙が下りて来た。


みんな、苦しんでいる和夫を目の当たりにして混乱しているのがわかった。


「でも、和夫はきっと元気になるよな?」


そう言ったのは准一だった。


准一はジッと地面を睨み付けている。


「あ、あぁ。もちろん」


渉がすぐに准一の意見に賛成した。


元気になるかどうかなんてわからなかったけれど、自分の友達がこのままだなんて考えることはできなかった。


「よし、じゃぁ、俺たちは明日も見舞いに行こうぜ。ノートのコピーとか、届けなきゃいけないしな!」


准一がパンッ! と手を叩いてそう言った。


その音で場の雰囲気が少しだけ変わる。