「ってなわけで、今日のお昼はたこ焼きパーティするよ」


空は抜けるように青々とした絶好のたこ焼き日とも言える今日。私は、いつものように可愛らしい笑顔を振りまいて登校してきたリイちゃんを確保した。

リイちゃんは私より頭一つ分くらい背が低いから、簡単に私の腕の中に収まっている。


「えー、なにそれー? どこでタコパするの?」

「食堂で、たこ焼き買って、たこせん作るの。リイちゃんたこせん食べたことある?」


リイちゃんは唇を小さく尖らせながら、「んー?」と唸っている。今日も絶好調に可愛い。


「たこせんって、タコが入ったおせんべいか何か?」


やっぱりリイちゃんもたこせんを知らないんだね。


「たこせんはえびせんの間にたこ焼きを挟んで食べる、大阪の人のおやつなんだよ」

「おやつなんだ? たこ焼きなのに?」

「うん、って大阪に行った時、お店の人にそう聞いたけどなぁ。とりあえずどんなのか作ってみせるから、お昼は食堂でご飯食べようよ」

「うん、分かった。なんだかわからないけど、楽しそうだね」


リイちゃんはえへへっ、言いながら笑ってる。そんな笑顔に私もつられて笑った。