「……まさか、不死鳥が召喚できるなんてな…」



不死鳥の背中にしがみついているレンは、苦い顔のまま下を見下ろしている。


若干顔色がよくない所を見ると、高所恐怖症なのだろうか。


男なのに、だらしな……うぷ。人の事言えない。


だって怖いんだもん、不死鳥の背中。速いから落ちそうで。



『私も驚いています。魔王と勇者がまさか行動を共にしていたとは』


「「うっ」」


『双方、互いの忠臣にこのことが知られたら、大変なことになるでしょうね』


「「ううっ」」



そろって魔物に窘められる勇者と魔王ってどうよ。


自分で自分に呆れつつ、私はかつらを直す。



『良いですか、陛下。これも私は中立区域の少し前までしか行きません』


「うん、ありがとう……ってちょっと待った。


私、不死鳥に文句を言いたいことがあったんだった」


『と、言いますと?』


「あなたが降ろしてくれたあの町、もうアルフレッドさんの領地になってたよ!


私、それで捕まっちゃったんだからー!」