「小春、別れて。」


私には夏休み明けに告白されて、付き合って1週間になる彼氏がいる。


それが、今目の前にいる柳田 修(やなぎだ おさむ)くん。私と同じ高校2年生。




「え?修くん!?…な、なんで?」



自分で言うのもなんだけど、愛されてる気がしたことはこれっぽっちもなかったし、私が修くんのことを好きだと思ったこともなかった。

まだ付き合って1週間だし?
初カレ…だったわけで。


こんなものなのかな!って思ってた。

思ってたのに!!


「元カノに、やっぱ俺じゃなきゃダメだって泣かれてさ。」


「え?も、元カノ…?」


「俺も元カノ忘れるために手っ取り早く付き合えそうだった小春を選んだだけだから、より戻せる今…お前邪魔なんだわ!」


《《邪魔なんだわ!!》》



脳内を谺響(こだま)する修くんの最後の言葉にただただ、開いた口が塞がらない。


「じゃ、そういう事だから。」



それだけ告げると、ヒラヒラと片手を振って消えていってしまった修くんに、私は1人虚しさばかり募る。