「京ちゃんおはよっ!」



玄関から出てきた京ちゃんこと持田京介(もちだ きょうすけ)に、すぐに笑顔で挨拶をする。


京ちゃんとは家が隣の幼なじみで、生まれた時からの付き合いなんだ。




「ネクタイおかしい」


「えっ?」




京ちゃんは私の目の前まで来て、手を伸ばしてネクタイを結び直してくれる。


自然と体が近くなりドキドキとうるさくなる心臓。




それを目をつぶって抑える。





「できた。
ちゃんと結べるようにしときなよ」



キュッと締めてから、優しく微笑む。


あぁ、幸せだな。



京ちゃんの笑顔に私の頬も緩む。




そして2人並んで歩き出した。