あたしは、鍵の無い檻の中にいる。
いつだってその外へは出られるはずなのに、あたしはそれをしない。
『忘れるなよ、お前なんていつでも殺せる』
そう、この檻の外は、この檻の中より恐ろしい。
一瞬の自由と引き換えに、身も心もボロボロになるまで、傷つけられる。
自由なんて知らなくていい、心なんて無くなればいい。
あたしはただ、生きる為だけに息をする。
生きる為だけに心を殺す。
何も見ず、何も聞かず、こうして生きる為に自分の周りに檻を築いて、閉じ籠る。
そうしなければ、あたしは生きていけないから。
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