「奈々(ナナ)、早くしなさいっ。晃(アキラ)くんが待っててくれてるわよ!」

「わかってるって〜!」


あたしは洗面所で少し雑に髪を解かすと、スクールバッグを肩にかけて家を出た。


「おっはよ、晃!」

「遅ぇよ。行くぞ」

「は〜い」


あたしは、晃の自転車の後ろに座る。



あたしの名前は、菊池(キクチ)奈々。

今年から、聖翔(セイショウ)高等学校に通う、高校1年生。