【凌空side】
……今日も朝から暑かった。
テストが終わり、終業式までは補習期間になった。
学校は休みだが、早起きが日課になっているせいか6時には目が覚めた。
習慣ってすげえな。
リビングに行き、テレビをつける。
梅雨明けはまだだが、今日はかなり気温が上がるとテレビのニュースで言っている。
締め切ったこの部屋も蒸し暑いし、最悪だ。
……にしても、暇だな。
リビングのソファでゴロゴロしていると、あっという間に8時。
もう一眠りしようかと、テレビを消したとき。
"ピンポーン"
勢いよく鳴る玄関のチャイム。
……誰だ?
連日家に尋ねてくる結良の顔が浮かんだが、この時間はもう部活に行ってるはず。
そう思って油断して開けたのが失敗だった。
「おはよっ!」
ジャージ姿の結良がそこに立っていた。
「……なんだよ、こんな朝っぱらから」
「ちょっとお邪魔するよー」
ズカズカと家に上がり込んだ結良は、リビングを見て「うわーっ」と声をあげた。
「わわっ、なにこのカップ麺の山。毎日こんなのばっか食べてるの?」
テーブルの上には食べ散らかした空き容器。
隼人の事故以来、隼人や結良の家からの食事の誘いを断っていた。
とにかく人に会いたくなかったんだ。
「夏なんだから、ちゃんと片づけておかないと虫湧くよ?」
そう言いながら手際よくゴミをビニール袋に入れ、シンクに放置されたままの食器を洗い。
終わると、床に散らばった服を回収していく。